2021年09月10日 1689号

【1689号主張 MDSとともに民主主義的社会主義へ 菅を倒し社会を変える】

断末魔の菅政権

 菅政権に終わりが見えてきた。内閣支持率はついに26%にまで低下、不支持は66%(8/28毎日)だ。自民党の政権復帰(2012年)以降最悪となった。

 秋の総選挙で、自民が40〜70議席減との予測まで出始めた。「菅総裁のままでは総選挙を戦えない」と、総裁退陣を求める声が噴出している。総選挙を先行させ党内の批判を封じ込める菅の思惑は外れ、総裁選の先行実施に追い込まれた。

 衆参両院で3分の2近い議席数を確保し、10年近くやりたい放題を続けてきた自公政権が迷走に次ぐ迷走だ。積もり積もった腐敗政治への怒りにコロナ無策への怒りが重なり、菅政権は急速に瓦解しつつある。自公政権打倒、政権交代へと市民が情勢を切り開く展望が生まれている。

社会壊した五輪強行

 菅は「五輪が感染拡大につながったという考えはとっていない」として感染爆発との関連を否定する。だが東京五輪組織委員会の幹部さえ「『五輪やっているのに俺たちどうして酒飲んではいけないんだ』という疑問はあった」と認める。オリ・パラ強行は、コロナ無策で壊れかけていた日本社会の崩壊を決定づけた。

 東京では連日4千人以上が新たに感染し、全国の重症者は2千人を超え過去最多を日々更新。命を切り捨てる入院制限で自宅療養者は十数万人に上る。

 菅は、若者を感染拡大の元凶扱いするばかりか「ワクチン接種に非協力的」と責任を転嫁する。だが、あらゆる「対策」が失敗し、ドミノのように混乱が混乱を呼ぶ状況を作り出したのは、命とくらしの危機に真剣に対処する姿勢のまったくない自公政権だ。その上、総裁選で市民不在の権力闘争。もはや1日も早く退陣させる以外にない。

民主主義的社会主義へ

 MDS(民主主義的社会主義運動)は8月28〜29日に第22回大会を開催。オンライン参加を含めた活発な議論を通じ、コロナ危機を打開し東アジアの平和への展望を示す運動方針を採択した。大会には、ZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)をともに闘うDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)、韓国対案文化連帯をはじめ、イラク、フィリピンからも連帯メッセージが寄せられた。命を弄(もてあそ)び利潤の極大化を狙うグローバル資本主義から民主主義的社会主義への変革には国際連帯が不可欠だ。

 菅を追いつめた都議選・横浜市長選での市民と野党の共闘候補勝利、それを切り開いた市民の闘いの報告があった。ユニオンに結集しての解雇撤回や権利拡大の闘い、あきらめかけていた大学進学を運動と仲間の支えで勝ち取った若者からの報告は、大会参加者を勇気づけた。ともにMDSに結集して闘おう。社会変革は可能だ。

  (8月30日)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS