2024年08月02日 1832号

【沖縄・琉球弧―日本全土を要塞化 岸田政権の軍事大国化を止める】

戦争への暴走を阻む

 集団的自衛権行使を容認した閣議決定(2014年7月安倍政権)から10年。岸田政権は、戦争する国へと暴走している。

 日本最西端の与那国島で7月28日から11日間、日米共同実動演習が行われる。沖縄など5県を中心とする「レゾリュート・ドラゴン24」の一環だ。来年のミサイル部隊配備を想定し、島がまるごと要塞化されていく。

 突出する沖縄・琉球弧の軍事化は、県民の命と暮らしを脅かしている。米兵による性的暴行事件とその隠蔽、辺野古新基地建設土砂搬送の抗議現場での死傷事故など、基地あるがゆえの事件、事故に県民は憤っている。7月4日、那覇市で600人が緊急抗議。新基地反対の座り込み開始10年の6日、辺野古の米軍基地ゲート前で1200人が抗議の声を上げた。8月10日にはオール沖縄会議が県民大集会を呼びかけている。

 国家が保持する暴力組織である軍隊に、人権擁護意識など望みようがない。事件や事故の根絶には、基地撤去しかないのだ。

全国を軍事要塞化

 全国の軍事要塞化も加速している。防衛省は、26年大分県由布(ゆふ)市の自衛隊基地に地対艦ミサイルと高速滑空弾(弾道ミサイル)を配備する計画だ。沖縄島嶼(とうしょ)に上陸した敵部隊への攻撃を想定するが、これは琉球弧の島々を標的にしたミサイル配備である。他国からの攻撃どころか、自衛隊ミサイルの標的となってしまう。住民など全く眼中にない暴挙を許してはならない。

 在日米軍基地の機能強化も進む。年内にも米軍岩国基地(山口県)に米海軍のCMV22オスプレイとF35Cステルス戦闘機が配備される。これらの機種が日本に配備されるのは初めて。CMV22は、米国防総省も多数の不具合があるため「運用に適していない」と米議会で報告した(24年1月)ほどの欠陥機である。

 琉球弧―全国を戦場にする自衛隊のミサイル配備、米軍岩国基地への欠陥機配備をはじめ日本全土の軍事化阻止は緊急の課題だ。

世界の反戦運動と共に

 岸田政権は7月12日「24年版防衛白書」を公表した。自衛隊基地強化、軍拡増税、武器輸出を明記し、大軍拡に突き進む方針を内外に宣言した。同日公表した防衛省・自衛隊の不正行為について、岸田首相は訪問先の米国で「陳謝」会見。日米共同軍事行動への「統合作戦司令部」創設に向け、機密管理は米軍と統一することを示すためだ。日米両軍の戦争準備は今や実行可能な段階になろうとしている。

 7月27〜28日に開催される24ZENKOin大阪には、沖縄とともにパレスチナ、米国、韓国、台湾など世界各地から反戦勢力が結集する。ガザ虐殺を止めようと闘う世界の民衆と連帯し、岸田政権の軍事大国化を阻止しよう。

(7月22日)
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