2024年09月06日 1836号

【2024ZENKOフィリピンAKAY分科会/戦争でなく平和への一歩を/若者・民衆とともに】

 2024ZENKO2日目(7/28)、フィリピンAKAY(アカイ)プロジェクトをともに創る会が呼びかけた分科会のテーマは「戦争ではなく子どもたちに教育・栄養を保障できる地域を!フィリピン民衆とともに」。ABAKADA(アバカダ マニラ郊外の貧困地域の就学前教育施設)スタッフらとオンラインで結び参加者25名で有意義な交流ができました。

 1部では、マパラドカ(戦争と貧困に反対する親と子)議長のポール・ガランさんから平和都市条例運動の報告を受けました。7月8日の日比円滑化協定締結で、来年から日米比軍事演習に自衛隊も本格参加。条例案には新たに「マラボン市を無防備地域および平和都市として宣言し、紛争予防と、暴力や武力を使用しない外交交渉による紛争解決に真に取り組むことを約束し、外国の軍事基地や軍隊によるマラボン市の使用および活動を認めないこと」を盛り込みました。日本でも学びとしたいです。

 アバカダ給食担当のアミーさんは「空腹の子どもを支援する栄養のある食事が調理できるように、この条例が承認されて、NGOや公立学校給食に財政支援ができることを願います」とスピーチ。

 日本の子ども食堂の現状についても論議しました。地域の居場所づくり、生活支援としての子ども食堂の必要性は日々高まります。しかし運営面での困難に遭遇し、今学校給食無償化も含め、子どもたちに公的な食糧支援の必要があることを日比で確認できました。

 2部は子ども青年の広場。関東子ども全国交歓会の先輩メンバーが沖縄・与那国島の少年の詩をもとに作られた「へいわってすてきだね」の絵本の英訳と読み聞かせにチャレンジしました。

 自然に囲まれた平和な島の日常をどう伝えるかディスカッションを重ねたこと、小6Tさんの「平和がずっと続きますようにの場面が好きだ」などを、若者の通訳を通じて伝えます。現地のエステリータ先生から「命・家族・平和を考えられる良い本。子どもたちに読み聞かせをしたい」。また、1月フィリピンを訪れた青年は「アバカダのかつての卒業生に再会。『日本と交流しているアバカダでの学びは、特別で貴重な体験だった』と話してくれた。この絵本の取り組みも子どもたちの心に残り続けると思う」と感想を述べました。

 新たに迎えたエンジェル先生(2007年の卒業生)は「子どもたちに教えたいとの思いが実現してうれしい」と元気よくスピーチ。

 今後、若者世代が交流を深め子どもたちの教育を巡ってつながり続けることが平和につながる一歩と思える分科会になりました。

(AKAYプロジェクトをともに創る会・古武家育子)

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