2024年09月06日 1836号
【2024ZENKOこどもと教育分科会/不登校生の健康診断未受診放置は差別/息がつまる学校を変える】
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7月28日、2024ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の分科会「子どもの声を受けとめ、息がつまる学校を変えよう」は、60人近くの参加者で、4つの報告を受け、グループ討議を行いました。
報告1つ目は、不登校生の学校外・無料の健康診断保障要求運動について、横浜のフリースペースたんぽぽ理事一之瀬百樹さんから。保護者の相談をきっかけとして横浜市議会請願に取り組み、横浜市児童生徒25万人のうち1万人が健康診断を受診できていない実態が明らかになる。請願運動の結果として教育委員会が医師会との話し合いを開始するなどの変化があらわれ、他市でも取り組みが見られるようになっています。不登校のため健康診断を受けられず、大人になって問題が発覚した経験を持つ研究者やたんぽぽ保護者のMさんからも補足報告を受けました。
2つ目は、小学校卒業式と中学校入学式で「君が代」起立斉唱をしなかった田花結希子アイリーンさん(現在中学2年)。はっきり意思表示しているのに「立つだけでも」と先生がしつこく圧力をかけたことや何を伝えたいのかがまったく見えないことなどへの不満、おもしろくない授業のことが語られました。
3つ目は、中学1年生の保護者で、公立小学校の有償ボランティアである清水悦子さん。子どもたちが異常なテストの圧力の中に置かれている現実を述べ、「はあ、しんど」とため息つかせるために子どもを産んだのではない、子どもたちには「あなたはあなたで尊い」と伝えたい、との思いが語られました。
報告4つ目は、大阪市立中学校教員のNさんから。学校は「学校に行くのは楽しいですか」というアンケートを取るが、監視され安心できない学校には「楽しい」の前提がない、また、教員が楽しいと思えない学校では子どもたちも楽しいと思えるはずがないとの指摘がありました。
参加者の感想は、「現在の学校と教育の抱える問題がよくわかった」「立場を超えて自由に意見が言い合えるのがいい」「こんな場がもっとあってほしい」と好評でした。10月団結まつりなどの場で、一人ひとりが実践できる「息がつまる学校を変える」ための方針を具体化し、運動を拡大していきたいと思います。
(こどもと教育分科会実行委員会・松田幹雄)
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