2024年09月06日 1836号

【IR工事と万博が対立/住民監査請求の成果を裁判へ/9・29は御堂筋大パレード】

 8月22日、「夢洲(ゆめしま)カジノを止める大阪府民の会」全体会議が開かれ、約40人がIR万博重要局面と今後の運動方針を論議した。

 現在BIE(博覧会国際事務局)は“IR工事による景観の悪化や騒音”の懸念を表明し、博覧会協会の十倉会長が吉村大阪府知事に万博開催期間中のIR工事の中断を求めている。

 工事中止は2030年開業予定を困難とし、工期延長による工事費増大などを引き起こす。IRカジノ事業者は、違約金なしで事業からの撤退ができる「解除権」の行使に言及。IRカジノの誘致を進めてきた維新府市政にとっては大きな打撃である。

 また8月9日には、万博への子ども招待の中止を求める署名が大阪府知事に提出された(累計1万3485筆)。今後、動員される高校生に向けたチラシ配布や各自治体での意見書採択運動が展開される。

監査請求の”合議不調”

 8月9日、IR用地の液状化対策工事を巡る住民監査請求について、全面却下ではなく「一部合議不調」との判断が示された。大きな前進である。

 判断は、大阪市の言う「公共工事に準ずる」について根拠がないとし、「公共工事」に求められる公平性、経済性、適正履行が担保されないことに一定の理由があり地方自治法違反の疑義があるとした。また工事費用についても「最小経費」であることを確認できる体制整備は認められないとしている。

 この判断を受け、会議で率直に討議。「自分は裁判で闘いたい」との発言や、「迷っている」などの意見が出されたが、多くの会員から「裁判をすべき。今度は運動に関わりたい」などの意見が出され住民訴訟を提訴する決意が固められた。山川事務局長は「裁判闘争は提訴して終わりではない。傍聴行動や宣伝行動など会の運動として皆でやっていこう」とまとめ、住民訴訟を闘う方針が定まった。

 会は▽9月5日 IR推進局・教育委員会との団体協議(城東区役所)▽9月12日(大阪市会開会日) 万博・カジノ中止市役所包囲の共同アクション▽9月29日 キケンな万博・カジノをやめて被災者支援 いのちを守れ 御堂筋パレード―と連続した行動で万博・カジノを追いつめていく。

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