2024年09月13日 1837号
【議会を変える/危ない万博に子どもを連れて行かないで!/大阪府茨木市議 山本よし子】
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来年4月開催予定の大阪・関西万博は深刻な工事の遅れが報道されている。木造の大屋根リングだけはようやくつながったものの、各国のパビリオンは開催時期までに果たして完成できるか危ぶまれている。入場券の売れ行きも滞っており、開催前から「失敗」必至との指摘が広がる。
そのような中で、大阪府は府内小中学校の児童生徒を「無料で招待」するとして、各学校の希望を募った。けれども、この「招待事業」について、保護者や教員、市民から中止を求める声が出ている。
茨木市では、6月議会に市民団体「総がかり行動実行委員会」が「学校単位の万博招待事業をやめるよう大阪府に申し入れる」旨の請願を提出した。同実行委は「戦争法に反対し9条を守ろう」とつくられた市民と野党の共闘団体で、毎月欠かすことのない行動には私も毎回参加している。請願には私を含む6人の議員が賛同した。文教常任委員会で可決されたのは歴史的な成果だ。本会議では否決されてしまったが、「招待事業」の問題点を市の教育委員会に伝えることができた。
9月に入っても、学校行事で子どもを連れて行く不安は全く解消されず、府の説明でも詳細は「不明」のまま。メタンガス爆発の対応は極めて不十分、地震の時の避難など防災対策も不備で、子どもたちの安全は確保できていない。会場までの移動手段も決まっていない。どのパビリオンを見学できるか、どこで昼食をとるかもわからない。しかも来年の4月にならないと下見ができないのは決定的で、このような状態では学校が責任の持てる計画は立てられない。
「無料」は入場料だけで、バスなどの費用はすべて保護者負担。入場料は府が万博協会に払うとなれば、府民の税金で子どもたちをみすみす危険な目に合わせに行くようなもので、これは「招待」などではなく「動員」だ。
9月議会でも引き続き追及し、「招待事業の見直し」を府に働きかけるよう迫っていく。「失敗」が見えているのに、IRカジノのインフラのために強引に開催する万博そのものの中止も求めていく。
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