2024年09月13日 1837号
【関東大震災虐殺101年 虐殺犠牲者追悼大会/日本政府は朝鮮人・中国人虐殺の歴史に向き合え】
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8月31日、都内で「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺101年 犠牲者追悼大会」が開かれ、400人が過ちを繰り返させない決意を新たにした。
第1部追悼式。全員の黙とう後、韓国と中国から遺族があいさつに立った。「私のおじいさんの兄は1923年9月5日、33歳の時に惨殺された。故郷で両親・妻・子どもが帰りを待っていたが、遺体も戻されていない。3世、4世がこのような行事を引き継いでいかねばならない」(韓国)「日本政府に請願書・要望書を出したが、いまだに真摯な謝罪はない。憎しみを持ち続けることが目的ではない。歴史に真摯に向き合ってほしい」(中国)
政府の責任を追及する国会報告が行われ、在日コリアン3世の舞踏家・゙和仙(チョウファソン)さんが鎮魂と希望の祈りを込めた韓国伝統の舞を披露した。
第2部は「関東大虐殺の責任をただす集い」。朝鮮人労働者追悼碑を撤去した群馬県に抗議して旧「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」の川口正昭さんは「撤去がヘイト団体や右翼など排外主義者を勢いづかせ、著しく公益を損ねるものとなった」と責任を問うた。山田朗明治大学教授は「3・1独立運動は『外国人に扇動された行動』『暴動』『凶暴性』とあおり、日本国民の排外主義を育てていった。1925年の治安維持法公布でシステム化された」と歴史的な構造を説明した。
田中正敬専修大学教授は「2011年7月、松野博一官房長官は、震災後にデマや流言飛語によって二百数十名が失われたことは大変悲しいことと述べた。一方で、虐殺の記録が見当たらないとし、矛盾している。体験者や目撃者の証言の力は大きく、東京だけでも1千人の証言があることに言及してほしい」と訴えた。
韓国で平和統一をめざす「市民の会・独立」は「韓国内では関東大震災の真相究明がさほど進んでいない。日本大使館前での座り込み、虐殺を記録する映画の上映に取り組み、真相究明の特別法を発議した。廃案となったが、市民運動が民主主義を作り出した経験があるので、粘り強く実現させたい」と報告した。
「都は碑の建立に深くかかわった」/小池知事の追悼文不送付を糾弾/朝鮮人犠牲者追悼式典
関東大震災から101年の9月1日、東京・墨田区の横網町公園で、虐殺された朝鮮人を追悼する式典が執り行われた。台風の接近に伴い規模を縮小しての開催となったが、多くの参列者が人の手によって命を奪われた犠牲者を悼み、手を合わせた。
追悼式典実行委員長の宮川泰彦さんは開式にあたって「追悼の碑は幅広い市民と都議会全会派、都知事の賛同の上に建立(こんりゅう)された。都は碑文の言葉についても主体的にかかわり、当初案の『為政者のあやまれる策動と官憲によって流された流言蜚語(ひご)』の『為政者』『官憲』を除くよう求めた。結果、この二つの言葉は消えた。都は碑の管理だけでなく、書かれた文言にも責任がある」と指摘。小池百合子知事が今年も追悼文を送らなかったことに対し「過去に恥ずかしいことがあった。しかし、それから逃げ回ることこそもっと恥ずかしいことではないか」と批判した。
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