2024年09月20日 1838号

【DSAアーメド・フセインさんに聞く(1)/米日政府を支持するのは/ジェノサイドを支持することだ】

 2024ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)に参加したDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)アーメド・フセインさんに、パレスチナ連帯をはじめとするDSAの闘いについてインタビューした。(7月31日、那覇市にて。まとめは編集部)


Q パレスチナ連帯闘争を広げるために、どう語りかければいいのでしょうか

「虐殺を支えますか?」

 パレスチナが抽象的な概念ではなく、パレスチナの問題が一人ひとりにどのような影響を与えているか、気づかせることが重要です。

 一つ目は、パレスチナに対して市民が共犯関係に置かれている、と強調することです。語りかける相手は「あれは遠い所での戦争だ。遠くで起きている悲しい出来事だ」と言うでしょう。ですが、実際にそれを可能にしているのは、その相手が納めた税金であることを思い起こさせるのです。

 アメリカが支援をやめれば、ジェノサイドは終わります。イスラエルは単独でこの戦いを行うことはできないからです。暴力を可能にしている要因は、アメリカによる支援なのです。

 日本では、日本人も共犯者の立場に置かれていることを認識してもらう必要があります。日本政府の政策として、イスラエルで使用される武器製造を支えているのですから。政府を支える皆さんの税金は、イスラエルによる虐殺を支援することにつながっています。

権利と自由のために

 もう一つは、パレスチナに連帯することが、自分たちの権利と自由にとって重要だという意味合いを強調することです。

 アメリカでは、多くの警察部隊が戦術や戦略を学ぶために、イスラエルで実際に訓練を受けています。そして、学んだ戦術や戦略を国内で抗議活動を弾圧するために使っています。

 大学では、学生や教員がパレスチナを擁護する発言をすると処分され、解雇されます。これは労働組合の問題であり、自由な言論が危機に瀕(ひん)している問題です。

 教育や医療への投資が不足していると言われながら、政府はイスラエルを支援するために2000億ドルも支出しています。こうしたことから、政府が人びとの生活よりもジェノサイドを支援することを重視していることがわかるのです。

 さらに、アメリカがなぜイスラエルを支援するのかを理解することが非常に重要です。より長い議論が必要ですが、なぜイスラエルを支援するのかを理解することで、アメリカや日本の人びとに特別な責任のある理由が説明できます。

 今回、私は日本がジブチに海外基地を持っていることを知りました。

 なぜジブチに日本の自衛隊がいるのでしょうか。ジブチには多くの外国軍の基地がありますが、それではジブチの主権はどうなるのでしょうか。また、パレスチナの主権はどうなるのでしょうか。点と点をつなぐことで、はるかに理解しやすくなります。

植民地主義との闘い

 最も単純な話をすれば、パレスチナの問題は宗教や民族の対立ではありません。「入植者植民地プロジェクト」の問題なのです。

 シオニズムの創始者の一人であるテオドール・ヘルツルが理論化したように、彼はイスラエル国家の建設運動を「植民地プロジェクト」と呼びました。「中東に西洋の前哨基地を築く」―これが彼の言葉なのです。

 したがって、決してムスリム、ユダヤ人、アラブ人の問題ではなく、ヨーロッパ、アメリカの植民地主義勢力がこの地域を支配し、他のすべての国に戦争をしかけ不安定化させることだと理解することが重要です。

 ここ沖縄では平和が強調されています。ですが、世界のすべての大国に免責され、定期的に周囲の隣国を攻撃する国家(イスラエル)が存在する中で、どうしてその中東に平和をもたらすことができるのでしょうか。

 日本はイスラエルに対する立場を明確にしなければなりません。ボイコットし、大使を召還し、武器などの協力関係を停止させるべきです。(続く)

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