2024年09月27日 1839号

【1839号主張/戦争と首切り競う自民総裁選/10・14(大阪) 10・27(東京)団結まつりへ】

看板かけかえ延命狙う

 岸田文雄首相の政権投げ出しを受け、自民党総裁選が始まった。派閥による大規模裏金事件を契機として、自民党はうわべだけの「派閥解消」で市民の目を欺き、総裁交代という看板かけかえで政権維持を狙う。

 過去最多の9人が立候補し、自民党は「改革」「刷新」をアピールする。

 だが、メディアが持ち上げる小泉進次郎は解雇規制緩和を公言するなど父親(小泉純一郎元首相)譲りの徹底した新自由主義者。石破茂は自衛隊の「国防軍」化と日本の核武装が持論だ。河野太郎はかつての脱原発論をとっくに投げ捨て、看板政策は市民総スカンのマイナ保険証ごり押しだ。

 安倍晋三の「正統後継者」を自認する高市早苗の好戦ぶりは際立っている。高市が権力を握れば台湾有事≠自ら招きよせかねない。

自民主張の垂れ流し

 どの候補も戦争と改憲、規制緩和と新自由主義、原発推進などグローバル資本のための政治では一致する。

 ウクライナを侵略したロシアに「法の支配」を守るよう求めても、あらゆる国際法を完全無視しガザ市民虐殺を続けるイスラエルにはそれを求めない。軍事基地や原発の撤去を求める市民の声を踏みにじり、さらなる軍拡と増税に突き進む。9か月近く経っても水道も復旧しない能登地震の被災者は救済せず放置だ。

 物価高にあえぐ市民生活など眼中にない。そもそも岸田退陣の直接的原因が裏金問題であるにもかかわらず、裏金問題の再調査を約束する候補はいない。統一教会との癒着を断ち切ると表明した候補もいない。すべてが安倍、菅、岸田と何一つ変わらない。

 メディアは総裁選をまるでゲームのように報道するだけだ。グローバル資本本位の自民党政治の問題は指摘しない。9候補の主張を垂れ流すことで、自民支配に対する諦めに市民を誘導するメディアも同罪だ。

戦争止め命守るまつりへ

 政権を維持するため、総裁選で少しでも支持率回復の兆しがあれば解散総選挙に持ち込み、延命を図る。自民党の狙いを砕き、政治を変えなければならない。

 政党の数合わせ共闘≠ナは闘えない。ガザ・ウクライナ反戦、琉球弧をはじめとする軍事化反対、「首切り自由」反対、反原発、万博・カジノ中止など、運動を通じて下から積み上げた市民と野党の共闘強化が自公政権を倒す力になる。

 イスラエルによる大規模侵攻が始まって10月7日で1年となる。10・14大阪、10・27東京の団結まつりは、世界の市民が即時停戦へイスラエルと支援国を包囲し、国内では総選挙への闘いに弾みをつける局面での開催となる。あらゆる闘いを結集して大きく成功させ、総選挙で、戦争を止め命とくらしを守る政治変革を実現しよう。

 (9月15日)
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