2025年01月31日 1856号
【ノー!ハプサ(合祀)訴訟/最高裁が不当棄却/三浦裁判官「合祀を推進した国の責任は重大」】
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植民地支配下、旧日本軍に所属し戦死した韓国人の名簿が日本国により無断で靖国神社に提供されて合祀(ごうし)され、人格権を侵害されたとして、遺族が国と靖国神社に合祀取り消しを求めた訴訟のうち、国の情報提供行為に関する部分の上告審判決が1月17日、最高裁第2小法廷で言い渡された。
歴史認識、政教分離、信教の自由が問われた裁判だったが、「除斥期間(20年)が経過」だけを理由に上告を棄却。内容判断を全く避けた。原告パク・ナムスンさんは「あきれて言葉が出ない。父の名誉のため合祀から父の名を抜いてほしい」と怒りをぶつけた。
一方、判決文の約4分の3は三浦守裁判官の反対意見に割かれている。「請求権が消滅したものとして責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認できないと評価することには理由がある。原判決を破棄して事件を原裁判所に差し戻すのが相当である」というものだ。
また、「合祀を遺族が了承していない上、我が国と朝鮮との歴史的な関係、戦死に至った経緯、戦前の靖国神社の役割などに鑑み、被合祀者を敬愛追慕する上で平穏な精神生活の維持が妨げられたとの主張には相応の理由がある」「国の情報提供行為は憲法の政教分離規定に違反し、人格的利益が侵害された」「国は、合祀が継続する限り侵害も継続し、損害が生じ得ることを十分に想定しながら、合祀を推進した。国の責任は極めて重大である」とまで踏み込んでいる。
報告集会で韓国人遺族は「一つの希望を見出した。日本にもまともな裁判官がいる」「諦めず闘い続けてきた気持ちを分かってくれた。感動した」と語った。孫の世代によるノー!ハプサ第3次訴訟も準備されている。 《詳報次号》

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