2025年02月14日 1858号

【住まいの権利裁判で原告が陳述/追い立てた福島県は謝れ】

 原発避難者の住まいの権利裁判が1月27日に東京地裁で開かれ、陳述した原告Fさんは「福島県(被告)にはまず謝ってもらいたい。県の対応が経済的にも精神的にも避難者を追い詰めてきたことに裁判長は心を寄せてください」と訴えた。

 「2021年末、突然母親から電話が入り怒られた。県職員2人が家に来て『息子さんは宿舎を出ない。お母さんから話してくれ』とくどくど話された。『一体何をしたんだ』と言われ、母親が私を犯罪者のように受け止めたのではないかと、悔しさと県への怒りでイライラは募った。生活苦の親に経済援助などしてもらいたくないし、会うことはできない状態が続いている」

 裁判長は立証計画を出すことを求めたが、柳原敏夫弁護士は「法の欠缺(けんけつ)状態(適用される法が見当たらない)との私たちの主張に、『欠缺状態ではない』と言うだけで肝心な反論理由が説明されていない」と反論し、被告(福島県)に理由を具体的に述べるよう要請した。しかし、裁判長は、これ以上は釈明を求めない対応に終わった。

 この日は6人の原告が参加。報告会では「都営住宅の応募資格ができたので申し込んでいるが、落選続き」「やっと国家公務員宿舎を出たが、仕事が困難となり預金を切り崩す生活。みなさんの支えで生きていけている」「(県は)住宅を紹介しても無理な物件ばかりで悩んでいる」など、次々に窮状を訴えた。

 次回期日は3月24日。

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