2025年02月28日 1860号

【1860号主張 戦争を止め市民生活改善を 対案は民主主義的社会主義だ】

戦争 占領支える軍事援助

 ロシアのウクライナ軍事侵攻から3年。ウクライナ市民の死者は1万2千人を超え、686万人が国外避難を強いられている(国連)。両国の死傷者数は推計で100万人以上にのぼるとの報道もある。NATO(北大西洋条約機構)によるウクライナ軍事支援は、昨年度500億ユーロ(約7・8兆円)に達した。和平を妨げ戦争を長期化させたのがこの軍事援助だ。和平交渉開始の動きがある中、今こそ即時停戦を求め、ロシア軍撤退を平和的交渉で実現していく時だ。

 パレスチナ・ガザで停戦合意の下、交渉が進む最中、トランプ米大統領は、ガザからパレスチナ人民を追放し、米国が占領すると発言した。米国は昨年度179億ドル(約2・7兆円)のイスラエル軍事支援を行い、ガザ虐殺に加担している。

 こうした軍事援助を停止させることが、戦争と虐殺・占領を止める。

戦争で利益を上げる資本

 戦争で巨額の利益を上げているのがグローバル軍事企業だ。2023年の世界全体の軍事支出は2兆4600億ドル(約380兆円)と過去最大となり、軍事企業大手100社による武器売上高は6320億ドル(約100兆円)に達した。軍事企業や汚職・腐敗にまみれた支配者たちは、利益と自らの政権維持のために戦争を継続している。市民の命と生活はその犠牲となっているのだ。

 日本も同じだ。自公政権の大軍拡でグローバル企業は莫大な利益を得ている。先の軍事企業100社の売り上げで三菱重工が39位、川崎重工が65位に浮上した。戦争・占領継続を支え加担を続ける日本政府とグローバル軍事企業を追いつめなければならない。

3月МDS集会へ

 25年度予算案を審議中の今国会の焦点は、軍事費を削減し、生活改善予算を増やすことだ。大企業が600兆円もの内部留保を貯めこむ一方、労働者の実質賃金は3年連続マイナスで生活困窮が深刻化している。莫大な軍事費は、本来必要な医療や教育、社会保障費を削ることで捻出される。石破政権が固執(こしつ)する高額療養費制度の負担上限額引き上げはその典型だ。

 維新や国民民主は、予算案の一部修正を求めるが、軍事費や不公平税制には一切触れない。いま消費税廃止や教育・医療の無償化実現を掲げ、財源として軍事費削減、大企業への課税強化を求める―民主主義的社会主義へとつながる根本的対案を打ち出すことが必要だ。戦争や軍拡、大企業支配と闘う中でこそ、人権と生活を守ることができる。

 3月1〜2日を中心に全国でМDS集会が開かれる。変革の方向と展望を共有し、民主主義的社会主義をめざす世界の運動や反戦平和運動と連帯して、МDSとともに闘おう。

(2月16日)
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