2025年02月28日 1860号

【万博子ども招待事業は中止を/「夢洲カジノを止める大阪府民の会」が記者会見】

 大阪・関西万博開会予定(4/13)まで2か月を切ったが、「アンケートでは若者の82%が行きたくない」(2/9トークイベント)、運営費の8割をまかなうチケット販売も目標1400万枚に現在774万枚(2/5)の実態だ。失敗をとりつくろうために維新大阪府市政が強引に進める観客動員策「子ども招待事業」については、交通・安全対策など問題噴出で保護者・学校に不安・疑問が広がり、交野(かたの)市、熊取町、吹田市など実施見送りを決めた市町や教育委員会も出ている。

 2月12日、「夢洲(ゆめしま)カジノを止める大阪府民の会」は、府内すべての小中学校など1859校に「夢洲危険」の情報提供資料を発送するとともに記者会見し、改めて事業中止を求めた。

 「府民の会」山川よしやす事務局長は「2月4日提出分も合わせ『子ども招待事業中止』要請署名は1万7779筆に上り、各学校でも不参加や見送りが続出している。にもかかわらず大阪府や府教育庁、万博協会は、事故発生の責任はとらないとする一方、メタンガス発生の危険をはじめ正しい情報を提供していない。これは子どもたちの健康と命の問題だ」と、詳細な資料を示し厳しく指摘した。

吹田市教委が事業見送り

 府民の会メンバーで吹田市在住の籠谷(かごたに)成幸さんは、吹田市教委による各学校保護者あて文書を紹介。そこには「最も配慮すべき事項として、児童生徒の健康維持や安全確保の具体的な方策を、昨年7月以降、府教育庁に確認してきたが、特に留意すべき児童生徒の昼食場所および待機場所での熱中症対策や安全に団体行動するための導線、場所が不十分という見解に至った。…学校行事として訪れることは見合わせることとした」とある。籠谷さんは「子どもは数≠ナはない。一人一人かけがえのない命、個性、ハンディ、『問題』を持ち、それぞれに配慮が欠かせない」と強調した。

 さらに、▽有毒ガスなど予見可能性がある以上、発生事故について法的責任が問われる▽説明会はあっても、いまだに各学校がどこに行けるかもわからず情報不足がはなはだしい▽南海トラフ巨大地震の30年内発生確率80%と言われる中、浸水、液状化、どれも危険―と訴えが続く。記者からも質問が途切れず1時間の会見は30分も延長された。

 府民の会は、2月25日府議会開会日行動、3月19日差し止め訴訟弁論、23日には広範な団体・市民の共同で「夢洲あぶない やめてんかカジノ・万博パレード」と中止に向け行動を強める。

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