2025年03月07日 1861号
【みるよむ(725)/2025年2月22日配信/腐敗政治家と結びついた無許可業者のインターネットサービス】
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いま世界中でインターネット・サービスが急速に広がっている。イラクでは、許可なくこの部門に参入する違法な企業が後を絶たず、大きな社会的問題になっている。12月、サナテレビはこの問題を報道した。
サナテレビによると、全土の電波中継タワーは8000もある。それだけ需要が多く、日々増大している。
問題は、この産業に参入する悪徳業者が幅を利かせていることだ。政府の通信メディア委員会は、バグダッド近郊のアブグレイブ地区で、通信インフラが無許可業者による妨害行為を受けていると発表した。当局に圧力をかけてこの地区で通信に参入する許可を得るために、他の何十もの合法的な電波中継タワーのケーブルを切断したという。
どう見ても犯罪だが、そうした企業がはびこり、悪影響を与えている。「低価格のサービス」を売りに、規制を受ける合法企業の顧客を奪っているのだ。
しかもこんな悪徳業者を保護する政党が存在する。この連中は政治的軍事的影響力を使って治安当局が犯罪企業を取りしまるのを妨害している。もちろん、その見返りに業者らから金銭を受け取る。その結果、政党や政治家と癒着した悪徳企業が質の悪いインターネットサービスをばらまき、多くの企業や市民が被害を受けている。
被害を受けるのは市民
さらに国家機関のすべてがインターネットに接続されているのだから、犯罪組織などに利用される危険性が常につきまとう。市民の個人情報を含む政府情報が盗み取られ、悪用されかねない。結局、何より被害を受けるのは市民だ。
イラクのインターネットサービスにはびこる違法な無許可業者。その背後にはこの部門の利権をむさぼる政党や政治家がいる。サナテレビは政治の民主化の闘いでこのような不正をなくそうと呼びかけている。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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