2025年03月28日 1864号

【京都地裁 関西生コン支部委員長に無罪判決/労働組合つぶしは許さない/今までにない爽快さ=@なかまユニオン 小山敏夫】

 正当な労働組合活動を犯罪に仕立て上げた―前代未聞の検察・警察による組合弾圧を断罪する判決が出た。勝利したのは全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(連帯ユニオン関生支部)。生コンの製造・運搬に従事する労働者が中心となる産業別組合で、個別企業を超えて賃金引き上げ、権利擁護の闘いや辺野古基地反対などの反戦平和運動の先頭に立っている。関生支援を続ける「なかまユニオン」小山敏夫さんに裁判の様子を投稿してもらった。

 2月26日、懲役10年の求刑を受けていた関生支部武前委員長と湯川現委員長に判決が出される日とあって、早朝から多くの支援者が京都地裁に集まった。判決を前に地裁前で決起集会が行われ、「完全無罪以外にはありえない」と気勢をあげた。

 「事件」は、ベスト・ライナー社、近畿生コン社、加茂生コン社の3社の企業閉鎖等に関わって関生支部が行った当たり前の労働組合活動が恐喝等の犯罪にあたるとして起訴されたものである。3つの「事件」(公訴事実は4件)が併合され長きに渡って裁判が行われてきた。

 開廷後、裁判長はまず、「両被告人はいずれも無罪」と宣告した。傍聴席から「おー」「やったー」等の歓声が沸き起こり拍手が鳴り響いた。裁判長は特に注意することもなく静まるのを待って判決理由を述べ始めた。「事件」の事実経過をたどり、検察の主張と関生側の主張を丁寧に比較検討し、ことごとく検察の主張を否定していった。数多くの判決を法廷で聞いたが、これ程の爽快さを感じたことはない。

 検察は、関生支部がストライキを手段にして京都生コン協同組合を畏怖(いふ)させて解決金名目に金銭を脅し取ったなどと主張していた。しかし判決は、関生支部が行ったストライキは協定内容の履行を求めた理由のあるもので、そもそもストライキは使用者に一定の圧力をかけ業務の正常な運営を阻害することは当然に予定されているものだとして、検察の主張を一蹴した。脅迫性の立証がどの事件でもなされていないとの判断を示すことで、起訴がいかに不当極まりないものであったのかを判決は明確にした。

 関生支部の正当な労働組合活動が関西一円で同時期に「事件」化された。警察・検察の弾圧は県を越えて連動している。「事件」が「京都事件」だけなら控訴はなかったのかもしれないが、検察は控訴期限の3月12日に大阪高裁に控訴した。工事現場での企業の違法行為を指摘したコンプラ活動が犯罪にされた「大津1次事件」、「大津2次事件」、最高裁から差戻しされた「加茂生コン1次事件」とともに大阪高裁での闘いが続く。すべての「事件」に勝利を!

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS