2025年04月11日 1866号

【第6回東アジアの平和のためのZENKO参加団in広島】

 3月22〜23日に実施された「ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)参加団in広島」。滋賀、京都から参加したメンバーに感想を寄せてもらった。

基地強化 加害の歴史/事実を知り声上げる大切さ

 先日、広島参加団に参加しました。

 呉では、ピースリンク星野潔さんの話を伺い、日本の軍事基地強化が進む姿を知りました。特に南西諸島を戦場に想定し自衛隊が作戦を行うこと、12式地対艦誘導弾を搭載したトラックが使われることを知り、住民の犠牲を無視した作戦と、心の凍る思いがしました。

 日鉄呉跡地のフィールドワークでは、まだ工事も始まらない中、車から降りるとすぐに警告のアナウンスが入り、市民が監視されているという経験をしました。

 広島では、朝鮮人被爆者協議会会長金鎮湖(キンヂノ)さんの話で、被爆後帰国された海外の方々のうち、北朝鮮の方だけ国交がないという理由で、日本政府は調査も補償も一切していないという事実を知り、愕然(がくぜん)としました。

 学びの多い2日間でしたが、改めて、事実を知る大切さ、過去の加害の歴史を知る大切さ、それを伝え続けて行く大切さ、連帯することの大切さ、声をあげることの大切さを強く感じました。

(滋賀・内藤寿美子)

朝鮮人被爆者金鎮湖さんに学ぶ/戦争体制へのすべてを阻止

 今回、私にとっていろいろな側面から平和の意味について考えさせられるフィールドワークになりました。

 3月23日は、平和記念資料館を見学した後、今年被爆80年の広島で「在日朝鮮人被爆者の思いと闘いの歴史」と題した金鎮湖(キンヂノ)さんの貴重なお話を伺いました。

 自身の子ども時代のイジメや差別等の辛いお話。そして、ノーベル平和賞の受賞メッセージでも「苦しむ生存者」としての朝鮮人被爆者に言及はされなかったこと。2016年、米国のオバマ大統領は日本被団協とは面会したが、朝鮮半島出身の被爆者は参加できず、さらに大統領は「原爆死没者慰霊碑」に献花したが、同じ方向に位置する「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」には立ち寄っていないこと―が語られ、残念に思いました。

 日本は原爆を落とされた被害者であると同時に、他国を植民地支配してきた加害者の歴史があります。私たちは、このような歴史から真実を知り学び、戦争体制に突き進んでいくすべてを阻止する行動をしなければならないと改めて決意した旅になりました。 

(ZENKO京都・宇治京子)

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