2025年04月11日 1866号
【避難者住まいの権利裁判/無償打ち切り前提の契約は無効だ/6・15〜16最高裁共同行動へ】
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原発避難者住まいの権利裁判の第13回弁論が3月24日東京地裁で開かれ、原告側は、避難者退去と賃料倍額請求の根拠となる契約そのものの無効性を訴え、立証計画を裁判所に提出した。
意見陳述した原告Hさんは、40代で職を離れ避難先でやっと生活が安定してきた矢先に退去か契約かを迫られ、やむなく結んで2年間家賃を払ってきた。「個々人の事情を全く無視して退去、2倍賃料を迫るのは大変残酷だ」と訴えた。
井戸謙一弁護団長は「福島県による住宅無償提供打ち切り決定自体が国際人権法の居住権を侵害し、子ども被災者支援法に抵触する。セーフティネット契約は違法な打ち切りを前提にした激変緩和措置であり、公序良俗に違反する」と述べた。
報告会では、この日参加した6人の原告が契約に至る不当性を話した。「県は、退去するか契約を結ぶのかの二者択一しか示さなかった」「契約の内容は一切説明なく、契約書も後付けでサインするよう郵送されてきた」「代替措置はなく、仕事場が近い(安価な)住居を相談したら『職を変えたらいい』とまで言われた」
原告側は立証申請で、打ち切りに関わった行政当事者、国際人権法の専門家、被害当事者などを挙げた。
次回弁論は5月28日。
報告会の最後に、反貧困ネットワーク瀬戸大作事務局長が急きょ「住宅裁判を抱える諸グループに呼びかけて、避難者住宅要求を共に闘う集会を6月16日の最高裁ヒューマンチェーンの後に開催したい」と提案、拍手で確認された。
原発事故に国の責任なしとした最高裁不当判決を正す共同行動は、6月15日にシンポジウムと都内パレード、6月16日に最高裁を包囲するヒューマンチェーンが行われる。現在、団体・個人賛同とカンパへの協力が呼びかけられている。
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