2025年04月18日 1867号
【1867号主張/尹錫悦大統領罷免は民主主義の勝利/韓国民衆に連帯し戦争勢力止める】
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民主主義破壊を断罪
4月4日、韓国の憲法裁判所は、12月3日に非常戒厳を宣布し、国会から弾劾(だんがい)訴追されていた尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の罷免(ひめん)を宣告した。尹大統領が任命した裁判官を含む8人の全員一致だ。
憲法裁判所は、5つの弾劾訴追理由のすべてが憲法・法律違反だと明言し、「被請求人の違憲・違法行為は、国民の信任を裏切り、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為に該当する」と断罪した。
尹弾劾の闘いをリードした「尹錫悦即刻退陣・社会大改革非常行動」は声明で「主権者市民の勝利であり、数多くの市民の犠牲と民主抗争で築いてきた憲法と民主主義の力を再確認したものだ」と評した。
巻き返し阻んだ市民の力
罷免は市民が勝ち取ったものだ。前述の声明は「主権者の市民たちは軍と警察を動員した国会封鎖を素手で阻止した。汝矣島(ヨイド)に200万市民が集まり国会の弾劾決議を引き出した」と誇らしく述べる。
日本の新聞は「分断超える政治の道を」(4/5朝日)と韓国社会の分断を強調するが、韓国は「これから新たな始まりだ」(4/5ハンギョレ新聞)「政治改革の出発点を作ろう」(4/5中央日報)と前向きだ。
ペンライトで埋め尽くされた「光の広場」革命には広範な世代が集まり、厳冬の中、防寒具や飲み物を分かち合った。声明は「いつのまにか春だ。芽生える新芽の力で、冬の間広場を守った主権者市民の力で社会大改革を完成させよう」と結ぶ。韓国市民の視線はすでに「社会大改革」に向けられている。
問われる日本からの連帯
石破首相は「日韓協力は安全保障面、わが国の独立と平和、地域の平和と安定に極めて重要」(4/4衆院内閣委)と、日米韓軍事同盟強化の姿勢だ。これに同調し「日韓間の最大の懸案だった元徴用工訴訟問題の解決策をまとめ、両国の関係を大きく改善させた」(4/5読売社説)と、尹大統領を持ち上げるメディアさえある。
しかし、「核抑止」、朝鮮敵視、日米韓軍事演習拡大など戦争挑発策動は、その推進者の罷免で行き詰まる。石破政権など好戦勢力にとって大きな打撃となることは間違いない。
尹大統領の「解決策」は日本の加害企業を免責し、被害者の間に深刻な分断を持ち込んだ。首謀者は罷免された。日韓友好を演出するための欺瞞(ぎまん)的な「解決策」は根本的に見直し、植民地支配を清算し、民衆同士の信頼に基づく日韓関係に転換しなければならない。
参院選など政治変革の時期を迎える今年、韓国の市民が求める「人権と民主主義、平和と平等、生命と生態系、ケアと労働が尊重される持続可能な社会」(声明)を日本でも実現し、連帯して日韓の戦争勢力を追放しよう。
(4月6日) |
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