2025年04月18日 1867号
【市役所“移転”条例の議案提案阻止/みんなで状況を変えた さらに撤回へ/大阪府枚方市】
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「可決は厳しい。市役所位置(移転)条例案の提案を撤回する」。市議会最終日3月28日に急きょ開催された議会運営委員会での市長の発言だ。「議案提案の大切さがわかっていない」「計画案はゼロベースに戻せ」との議員の発言が続き、緊張していた満席の傍聴席は“みんなで状況を変えた”との思いが湧いてきた。
今年、2022年9月議会で否決された「市役所位置条例案」が再提案と伝わってきた。2年半も放置し計画案の見直しもせず、個別に議員の取り込みを図る姑息な市長に対し、私たちは「再度否決」と決意した。
「枚方市民の会」を含む「市民ネット(まちづくりを考える市民ネットワーク)」は、新たな層とつながろうと「市民交流会」。「枚方市民の会」は独自集会を2回開催。市民排除の市の姿勢を批判し、「市民ネット」の「岡東中央公園と一体の市役所」案と枚方市の案を比較し、「移転による税務署との合築よりも、市有地に市役所単独建て替えの方が安く早くできる」「みんなで考えよう。そのためには、位置条例案の再否決が必要」と確認した。
私たちは「できることは何でもする」と市役所前宣伝を「市民ネット」の他団体と協力し毎日行い、市民、議員、職員と対話を重ねた。
その結果、3月25日の第4回市役所包囲のヒューマンチェーンと集会は、300人で大成功。学生や子育て世代から「まちづくり」に対する期待が語られた。
2018年に素案が出されて以降、私たちは「市役所は市民会館跡地に、市有地を売るな」と主張してきた。総事業費は現在1000億円を超えた大規模再開発。枚方市駅に近い市役所を遠方に移転させ、元の周辺の市有地を民間企業に売却。さらに多額の税金を投入して超高層ビルを誘致する道路整備等も行うという大企業優先の計画だ。
今回の「議案の撤回」は「計画案の撤回」ではない。突然、岡東中央公園を計画エリアに含んだ周辺の複合ビルの建て替え案が示された。公園をも「商業ペース」にのせる動きを早急に止める必要がある。6月議会に向け「白紙撤回」を実現させる新たな取り組みを開始している。
(平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会・大田幸世)

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