2025年04月25日 1868号
【武器よりメシを!/税金は格差是正と社会保障に使え/4・12反貧困全国集会に200人】
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「武器よりメシを!貧困・格差の是正と社会保障に税金使え!反貧困世直し大集会」が4月12日都内で、反貧困ネットワーク主催で開かれ約200人が集った。
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ネット事務局長の瀬戸大作さんは長期にわたる困窮者支援の経験から「精神的困難を抱えた人たちの相談が8割と急増している。年金だけでは生活できない、生保もかつかつ、家を持たない『難民』が増えている」と深刻な実情を報告した。
基調報告は和光大学名誉教授の竹信三恵子さん。「税金を返せ、の要求運動では社会的サービスの切り下げにつながる危険性がある。税金を暮らしに使え、が必要だ。43兆円の防衛費を問題にしないで、所得減税か消費税減税か現金給付かといった議論だけでは結局社会保障全体の低下を招く」と述べ、参加した国会議員を前に「一体どこの党が国会議論の中で軍事費削減を主張しているのか」と危惧を訴えた。
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様々な分野の貧困の実態が報告された。非正規労働者のアマゾン配達員は雇用保険も社会保険も未加入、有給休暇はなく残業手当もない無権利状態で不安定な生活を強いられている。「有休願いを出したら『首を切るよ』と警告された」
「令和の百姓一揆」に参加した農民は「農業だけでは食っていけない。跡継ぎの子どもの給料も払えないため若者は辞め、農家が継続できないとの怒りが背景にある。食うということに国境はない、と世界人権宣言にある権利を消費者とともに創っていきたい」。
スリランカ出身の男性は「日本に住んで21年、日本人と結婚して10年経ったがまだビザが出ない。働きたくても働けないし、『家族で母国へ帰ればいい』と追いつめられる。日本はおかしい、スリランカ政府に近づいている」と怒りをぶつけた。「精神保健福祉法には人権が欠けている。政府には優生思想が根底にあるため、今も患者の虐待や強制入院が繰り返される」(精神障がい者)「女性は夫の下といった思想が今でも政治の場で変わっておらず、そのことがDVを支えている。変わらなければ、被害は続く」(被害女性)
原発避難者からは神奈川訴訟の村田弘さんが住宅提供打ち切りに伴う住宅追い出しの非道を報告。守られなければならない原発被害者の居住権・生活権を行政が奪い避難者を困窮に追いつめている実態を訴えた。
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貧困と格差拡大の中、「税金を暮らし・社会保障に回せ」の方向で被害当事者・市民が連帯していくことを確認する集会となった。
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