2025年06月13日 1874号
【ZENKOスピーキングツアー/9会場900人に発信/国際連帯で虐殺と戦争準備にノー】
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「戦争とめよう つながり平和をつくろう」と呼びかける2025ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)スピーキングツアー集会が5月24日〜6月1日、全国9会場で行われオンライン含めのべ907人が参加。全国で進む戦争準備の現実を、沖縄や世界の民衆とともに地域から変えていく確信を共有した。(6面に関連記事)
5月31日の大阪・堺市集会では沖縄島の奥間政則さん、6月1日大阪・枚方(ひらかた)市集会では奄美大島の城村典文さん、台湾のツァン・ルーシンさんをスピーカーに迎えた。
日米台湾の政権が“台湾有事”の危険なカードを政権維持に使っていることが、住民視点から鮮明となった。
パレスチナ連帯、沖縄連帯の写真展が地域で、路上でも取り組まれ、スタンディングなど諸行動も輪を広げていることが報告された。
9会場での発信を終え、田中拓真ZENKO共同代表は「2月に『戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク』が結成され、各地の闘いをつなぐ陣容は整ってきた。今回のスピーキングツアー成功を踏まえ、ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)の第3次国際署名を大きく広げよう。そして現地の闘いと国際連帯を結び、2025ZENKOin相模原に結集しよう」とまとめた。
ツアー最終日となった枚方市集会では、参加者は最後にデモへ。「パレスチナ虐殺やめろ/全国軍事化やめろ」と元気に訴えた。


土地規制法を見据え今こそ立ち上がれ/(沖縄ドローンプロジェクト)奥間政則さん
昨年の「慰霊の日」、岸田前首相の発言に声を上げた時、私は島言葉(しまくとぅば)で県民に呼びかけた。「戦争準備をやめろ。沖縄の人よ、今こそ立ち上がれ」と。
今、沖縄島の辺野古新基地建設だけでなく、琉球弧の島々で自衛隊基地建設が強硬に進められている。
私は土木技術者だから、ドローンを使った分析を基に、高江・辺野古での基地建設工事や計画のずさんさを指摘してきた。しかし土地規制法の成立により、その活動が大きく制限されてきている。ドローンで撮影できる範囲や特定機密情報が監視される地域は、内閣府のホームページ「区域の指定について」から誰でも見ることができる。
PFAS(有機フッ素化合物)汚染が明らかになったことで、対峙する全国的な市民運動も立ち上がった。与那国島など離島での医師不足は「台湾有事」が理由であることも報道された。
これらは沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題だ。本土からの闘いの広がりを期待している。

地域の日常に入り込む軍隊に抗う/(戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット代表) 城村典文さん
世界自然遺産の森があり、アマミノクロウサギが棲む奄美大島。奄美駐屯地では3棟の弾薬庫があり、もう2棟が建築中。瀬戸内分屯地、「樹海に浮かぶ駐屯地」と言われ眺めは良いが、要は森を切り開いている。
5年前、駐屯地外で小銃を抱えた初の行軍訓練。裁判での証言も無視したもので、抗議しやめさせた。ロケット砲ハイマースは、最近は幌がけもせず市街地を堂々と移送されている。
沖永良部(おきのえらぶ)島の知名(ちな)町のレクリエーション施設が訓練に使われている。看板には「豊かな人間像の形成を願う」と書いてあるが、裏切るような使い方を平気でやっている。訓練で運動公園を使ったり、体育館を隊舎がわりにしたり、そういうことが恒例化している。
幼稚園児と米軍の記念撮影、天城町職員が自衛隊に体験入隊するなど、軍隊と仲良くさせようとする懐柔策がとられている。国民保護法、「台湾有事」と言われ、自治体まで前のめりになる状況だが、少数でも闘い続けている。国民全員で考えるべきかと思う。

平和運動は最も喫緊の課題/(台湾労働人権協会・台湾労働党) ツァン・ルーシンさん
米国や日本国内の反戦平和運動は台湾にとって非常に重要です。日本と米国が台湾海峡の軍事問題にこれ以上介入するのを阻止して初めて台湾は真に対等な協議を通じて台湾海峡の平和問題を解決する意思を持つことができるのです。
台湾海峡の情勢がかつてないほど緊張しているのは事実です。しかし、これは中国の拡張主義的な野心によって引き起こされたものではなく、したがって、日本を含む周辺国がこれを口実に軍備を拡張するのは誤りです。まさにその逆で、私たちは、現在の緊張は米国が中国を軍事的に包囲しようとしていることから生じていると考えています。
頼清徳(ライチントー)は台湾が中国大陸を封鎖する米国の第一列島線の中核で米国とその同盟の後ろ盾があると考え、中国への挑発を続けています。
しかし、4月の米ブルッキングス研究所世論調査で、台湾民衆の米国の同盟への信頼度はわずか23・1%で韓国の41・9%よりも低い。頼清徳が引き続き両岸対立を高めれば、必ず民衆の激しい反対に遭うでしょう。
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