2025年10月17日 1891号

【原告9人が思いをぶつける/原発賠償京都訴訟が最高裁要請行動】

 「最高裁は市民の信頼を取り戻してください」。原発賠償訴訟を闘う京都訴訟の原告・弁護士・支援者が10月2日、最高裁要請行動を行なった。同様の9つの訴訟が現在最高裁第一小法廷に係属中だが、まともな審理もしないで棄却されては困ると京都から原告9人、田辺保雄弁護士、支援者ら15人が大挙して東京へ。神奈川訴訟、千葉訴訟や住宅追い出し裁判の支援者らがかけつけ、30人を超える人びとが最高裁前で集会、チラシまきに取り組んだ。

 昼休み、参加者は風船を手に『風になりたい』の替え歌で「勝って みんなで笑おう〜」と合唱。職員が出入りする西門前で原告一人ひとりがマイクをとり、国の責任を免罪した2審大阪高裁不当判決への怒り、権力に忖度する司法への危機感を訴えた。「6・17判決を覆す勇気を持ってください。それが地裁・高裁に示す最高裁の責任ではないか」「こうやって集まってくれる人が私たちの支えで、状況を変えて力になる」(要請での発言詳細は6面)

 京都原告団を支援する会の奥森祥陽さんは「『裁判を受ける権利』を守るためにも、一連の上告について一括棄却することなく、法と良心に基づいて公正な審理を行い、6・17判決の誤りを最高裁自身の判決で正していただくことを強く求めます」と訴えた。

 かながわ訴訟原告団長・村田弘さん、住宅追い出しを許さない会代表・熊本美彌子さん、福島原発被害者訴訟支援首都圏連絡会代表・吉川方章さんらが連帯のあいさつ。

 参加者は要請文を手に最高裁に入る17人を「頑張れ」と声援し見送った。またこの日、6・17最高裁不当判決を正すよう求めた1574筆の署名が提出された。

 原告の一人(18歳)は「まさか最高裁判所に行って話すとは想像もしていなかった。話さないまま裁判が終わると悔いが残ったと思うので、人生にとってもいい経験になった」と明るく語った。

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