2003年06月06日発行791号

【若者も子どもも平和を発信 夢あーるまつり 東京・大田 戦争許さない社会を】

 五月十一日、東京・大田区内の公園で開かれた第六回夢あーるまつり(主催・同実行委員会)。地域から平和を発信し、戦争国家作りを許さないネットワーク作りにつながるまつりとなった。


全員で踊って気持ちが一つに
写真:全員で踊って気持ちが一つに

 「イラク戦争でたくさんの市民が亡くなり負傷した。国会で有事法案が成立しそうな動きもある。まつりで戦争を許さない社会を作り出そう」―実行委員長・竹内仁さんの開会宣言でまつりはスタートした。賛同は二十団体を超え、大勢の人々でにぎわった。

 会場にはイラクの戦争被害や子どもたちの写真が展示され、多くの参加団体が戦争反対を訴える。「日本の文化を知りたいと思い参加した」と語るのは、在日フィリピン人の権利を守るために活動するKAFINのアガリン・ナガセさん。「イラク戦争に反対です。私はミンダナオ島の出身だが、米軍が駐留し十万人が家を追われ、避難生活を強いられている。イラクやアフガンと同じような事態だ」と米軍の無法を批判する。

行動し手応え

 注目を集めたのは不登校の子どもを受け入れているフリースクールの東京シューレ。親子で大勢参加し初めて模擬店を出した。若者たちは「NO!WAR、イラク戦争に反対します」との署名板を持って会場内を回る。

 四月上旬、東京シューレに通う十二歳から二十歳の若者三十人が銀座デモを行ったという。二十歳の若者は「イラク戦争をテレビで見ていて、僕たちはこのままでいいのか、何かやろう、どうやって声を出したらいいか、みんなで話し合った。人が多い所ということで銀座に決めた。歩いている人がじーっと見ている。道行く人たちも納得してないと感じた。『がんばれよ』と声もかかって励みになった」と行動した手応えを楽しそうに語る。

まつりが楽しみ

 まつりに向け、実行委員会はイラク戦争反対の取り組みを重視してきた。会議の場にイラク市民調査団に加わった神崎雅善さんを招いて、米英軍による戦争犯罪の実態を聞いた。

 実行委員会として大田区議会議員五十人に公開質問状を送付した。質問は、イラク攻撃への賛否や使用されたクラスター爆弾など大量破壊兵器を禁止すべきか、国際人道法を守っていく努力は必要か、など三項目。回答数は少なかったが、「平和都市宣言のイベントに写真展などの取り組みなどを提案したい」との回答が寄せられるなど反響も返ってきた。

 まつりは今年で六回目。在日外国人支援ネットワークや障害者の共同作業所、沖縄と交流を続ける団体など、年々参加団体も増えている。韓国の民族楽器を演奏するウリパラムは「毎年、五月になるとこのまつりが楽しみ」と語るほど地域に定着してきた。

 フィナーレには「子どもたちがハッピーに毎日過ごせるように」など平和のメッセージを書いた子どもみこしも飛び出し、全員で踊って気持ちを一つにした。

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