2005年06月03日発行889号

【7か国の被害者が東京に 「戦後60年」国際集会 戦後補償の解決は今年中】

7カ国の被害者・支援者が勢ぞろい(5月20日・東京)
写真:壇上に並ぶ代表者たち

 「『戦後60年』・被害者とともに日本の過去の清算を求める国際集会inTokyo」が5月20、21日、都内で開かれた。7か国の被害者・支援団体を迎え200人が参加。60年目の8・15に向けて戦後補償の包括的な解決を訴えた。


 主催者を代表して元日本弁護士連合会会長の土屋公献さんは「再び危険な排外主義が台頭してきている。アジアの人々は恐れている。戦後処理をしっかりさせることは加害国日本のアジアへの責任だ」と、あいさつ。補償要求運動が急速に高まる韓国からは日帝強制占領下強制動員被害真相糾明委員のチャン・ワニク弁護士が特別報告。「遺族が負ってきた荷物は今年中に何としても降ろさせねばならない」と決意を述べた。

 集会には、韓国・中国・台湾・フィリピン・オランダ・アメリカから被害者・支援団体が参加し、「慰安婦」、真相究明、強制労働、教科書問題などをテーマとした4つの分科会で討論を繰り広げた。

日本の常任理入り反対

 韓国・台湾・フィリピンの元「慰安婦」らは、女性のためのアジア平和国民基金の不透明、強引な「支給」を告発。民間基金による戦後補償の幕引きを批判し、立法化による解決を強く訴えた。

まとめの発言をする韓国のカク・トンヒョク団長
写真:演壇で報告

 日本の国連常任理事国入り反対も注目された。フィリピンのネリア・サンチョさん(アジア女性人権評議会)は、3か月で1万2千筆の反対署名の取り組みを報告。インターネットを駆使し中国人らから4150万筆を集めたアメリカの「歴史の正義を!いま」の共同代表ジーン・チュンさん。「慰安婦問題を解決しないことには、日本は世界の中心的な役割を担う組織に入ってはいけない」と訴えた。

 まとめは、海外から韓国訪日団団長のカク・トンヒョクさん。日本側から戦争責任資料センター代表の荒井信一さん。カク団長は「日本の戦争勢力は植民地支配は合法的で、間違ったのは戦争に負けたことだと認識している。つくる会教科書の不採択運動、8・15世界同時多発デモ、日本の国連常任理事国入り反対署名に取り組もう。ヨン様ブームより強いブームを巻き起こそう」と共同行動を提起した。荒井さんは「常任理事国入りに関してアジアには、日本は過去のファシズムを是正したのかという怒りがある。歴史・反核・人権問題をはっきりさせねばならない。つくる会教科書採択阻止、『慰安婦』立法を実現させる中で、戦後補償全体の解決が見えてくる」とまとめた。

 

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