2005年06月24日発行892号

【共感広がるイラク市民レジスタンス ビデオ上映会・歌舞団公演に勢い】

 イラク現地からイラク自由会議議長らを迎えて全国5か所で開かれた「進め!イラク自由会議 MDS国際連帯のつどい」は、市民レジスタンス運動への共感を広げた。

 千葉県在住の宮本真里さんは集会参加後、6月10日船橋市内で行われたビデオ『イラク市民レジスタンス』上映会をスタッフとして支えた。

 「参加者は多くなかったけれど、その場で連帯委員会に入ってくださった方がいます」と話す。「混乱するイラク社会を非暴力で変えようというこの運動は、反戦を願う人たちでも知らない人が多い。自衛隊撤退とともに市民レジスタンスを支えていくことは、日本にいる私たちにとって一番必要なことだと思います。暴力による抵抗は、他にどうすることもできない絶望感から生まれると思います。イラク市民をそんなところに追い込んではいけない。その前にこの理性的な運動を広げることです」

平和の条件は非暴力

 神奈川県藤沢市の無防備地域条例運動に参加し、市民誰もが平和を願っているという確信を深めてきた久野紀子さん。その一方、「自分たちは安全で平和に暮らしたい。そのためには武器で誰かに守ってもらいたい、誰かが傷ついてもやむをえない」という声にもぶつかった。久野さんは言う。「それはやはり身勝手な考え方だと思います。私は傷つくこともいやですが、傷つけることもいやです。平和を実現する条件は、『非武装』『非暴力』です。激しい殺戮の中にあるイラクで、非暴力で自由平等の社会を現実のものにしつつある運動を、日本の平和を願う特に若い人たちに知らせ、真の平和な社会を作っていかなくては。そのためにできることをしていこうと思います」

 藤沢市では7月9日、イラク市民レジスタンスの闘いをテーマにしたミュージカル『ちるぐゎーと魔法のランプ−イラク、誇りを歌う』の公演がある。

 「月桃の花」歌舞団の棟方恵さんは若いイラク女性の役を演じる。「これほど危険な状況の中でも虐げられた女性を守る活動をしているイラク女性自由協会の皆さんの強さを表現したい」と抱負を語る。「日本では宗教対立ばかりが強調されますが、サミールさんの話で、これまで平和に暮らしてきた社会が占領でめちゃくちゃにされたことがはっきりしました。劇の内容を深めて、無防備地域宣言運動を広げてきた方たちに見てもらえるのが楽しみです」

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