イスラム武装勢力をいかに評価するかで欧米左翼とイラク市民レジスタンスの間で激しい論戦が繰り広げられている。われわれはイスラム武装勢力の路線は、女性をはじめとする多くのイラク市民を排除し、多くの市民に被害を与え、将来のイラクをイスラム独裁社会にしてしまうという点から支持連帯できないと結論付けた。政教分離、自由、平等を掲げる市民レジスタンスの戦いを強化することに、グローバル資本主義の戦争システムを解体し、民主主義的社会主義への展望が切り開かれるのである。
1.はじめに
2004年全交はイラク占領軍撤退を主なテーマとして開かれた。そこで最大の論点となったのがイラク市民レジスタンス連帯というスローガンを巡ってであった。ANSWERおよびストップ戦争連合の代表は占領に反対するイラクレジスタンス勢力のどれが正しいか外部から言うことはできない。イラク人が「自己決定」(self-determination)すべき問題であり、世界の反戦運動は占領軍撤退のみを掲げて闘えば良いとする見解であった。これに対しイラク失業者組合(UUI)、イラク女性自由協会(OWFI)の代表は占領軍を撤退させ、自由、平等、政教分離のイラクを作ることのどこに連帯できないというのかと激しく抗議した。長い討議の末、全交決議は一致点でまとめられ、占領軍撤退を決議し終了した。この対立の根本は武装レジスタンスをどう評価するかというところにあった。現在MDSはイラク市民レジスタンス連帯を掲げ、イラク反戦運動を闘っているが、欧米の平和運動団体、活動家たちとイラク市民レジスタンスを進める人々との論争を総括しておくことは、日本で、全世界でグローバルの好戦的勢力と闘い占領軍撤退をかちとっていく上でぜひとも必要と思われるので以下詳しく検討しておきたい。