理論・学習誌『民主主義的社会主義第56号』

【イラク市民レジスタンス連帯の意義】

佐藤和義

6.イラク市民レジスタンス連帯の意義

 イラク占領を終わらせ、イラクに民主主義を建設するためにイラク市民レジスタンス運動を強化することが必要である。イラク占領を終わらせることはグローバル資本主義の好戦的勢力を封じ込める大きな一歩である。世界の平和と民主主義勢力にとってイラク市民レジスタンス連帯にこそ展望があるといわねばならない。イスラム武装勢力のテロは世界の反戦運動が勝利していく上で大きな障害である。世界の反戦運動はイスラム武装勢力への批判を強め、市民レジスタンス連帯を強めなければならない。さらにわれわれはグローバル資本主義の武力行使を封じ込めることからさらにグローバル資本主義の規制を進め、戦争と失業というグローバル資本主義の武器を解体していく方向に進んでいかねばならない。この過程こそが世界における民主主義的社会主義建設の道である。日本における平和と民主主義の運動はイラク占領撤退を実現することで自衛隊の海外展開をやめさせ、無防備地域宣言運動で日本の地域から自衛隊を追い出す闘いを展開しなければならない。グローバル資本主義の好戦的勢力の一翼をなす日本自衛隊を国内外ともに居場所をなくしていくことが日本反戦運動の任務である。憲法9条の事実上の解体状況に対しイラク占領軍撤退と無防備地域運動の全国的展開によって日本の軍事力を封じ込めていくことが必要なのである。そして全世界の反戦運動と連帯し、全世界でグローバル資本主義軍を追い出すことが民衆の勝利の、したがって民主主義的社会主義建設への道である。

注1 Erick Ruder "The Right to resist" July 2, 2004

http://www.socialistworker.org/2004-2/505/505_06_RightToResist.shtml

注2 Erick Ruder "U.S. out of Iraq now" April 23, 2004

http://www.socialistworker.org/2004-1/496/496_05_OutNow.shtml

注3 Caneisha Mills "The anti war movement and the Iraqi resistance"

http://www.socialismandliberation.org./PSLsite/index.html

注4 Mahmood Ketabchi "Which Side is the ISO on, Working Class Socialism or Nationalism and Islamism?"

http://www.wpiraq.net/english/2004/mahmood080704.htm

注5 Mahmood Ketabchi "Debunking Left Nationalism and Bourgeoisie Criticism of Imperialism"

http://www.wpiraq.net/english/2004/mahmood270504.htm

注6 Shamal Ali "The "Iraqi Resistance" and Worker-communists" May22, 2004

http://www.wpiraq.net/english/2004/shamal/01 0604.htm

注7 Toma Hamid "The Iraqi "Resistance" and the Pressure Group Mentality of many on the Left"(トーマ・ハミド「イラク『レジスタンス』と左翼多数の圧力団体的精神構造」)

http://www.uuiraq.org/english/109.htm

注8 マルクス『共産党宣言』国民文庫版、74ページ。

注9 http://www.uuiraq.org/

 日本語でのイラク市民レジスタンスの状況については、イラク市民レジスタンスホームページhttp://www.jca.apc.org/iraq 全交ホームページhttp://www.zenko-peace.com参照。

注10 イラク労働者共産党は昨年11月に行われた中央委員会で「イラクの選挙は欺瞞的計画であり、ボイコットし無効にしなければならない」と選挙ボイコットを決議している。

http://www.wpiraq.net/english/index.htm

 いくつかの論文の訳について「平和と民主主義をめざす全国交歓会」(全交)の森文洋さんの訳を使わせていただいた。記して謝意を表明しておきたい。

ページジャンプ1.はじめに2.欧米の運動家たちの見解3.イラク労働者共産党の反論
4.論点5.イラク労働者共産党とわれわれの相違点、検討点6.イラク市民レジスタンス連帯の意義
直前のページへ戻る
ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS